磁石は身近なものですが、その強さを知ろうと思い、「ガウス(テスラ)メータ」を購入した。
入手したのは、JieotoのTD8620で、入手価格は12,648円。ハンドヘルドタイプで、0〜2400mTのプローブ付き。別途9V電池が必要です。
地磁気: | 300〜500mG(30〜50μT) | |
ラバー磁石: | 500G (50mT) | 主にフェライト磁石を含む合成ゴムシート |
フェライト磁石: | 2,000G(200mT) | 低コストで錆びない、保磁力が小さく低温に弱い |
アルニコ磁石: | 8,000G(800mT) | 温度係数は小さいが、衝撃や外部磁界に弱い |
サマリウム磁石: | 10,000G (1,000mT) | 温度変化に強くさびにくいが、もろくて欠けやすい |
ネオジウム磁石: | 12,000G (1,200mT) | サマリウムより強力だが、温度に弱い(100℃超で注意) |
abc848では反射型光センサを用いたが、強い光が当たる場合など環境によっては誤動作する場合がある。そこで、磁気を使って列車を感知する方法をテストした。
磁気センサとしてはホール素子を用いてIC化したホールICセンサが入手できるが、ホールICセンサには、@スイッチタイプ、Aラッチタイプ、Bアナログタイプ、の3種類があり、列車の検知には「スイッチタイプ」が適しているので、SK8552(秋月電子で40円)を用いた。レールにピンバイスで0.8mmの穴を1.27mmピッチで3つ開けて、センサのリードを差し込み、反対側でリードを曲げて固定した。
実験に用いた回路およびプログラムはabc848のものをそのまま利用し、光センサの場合と異なりLED点灯用回路およびセンサ用抵抗が不要となり、センサ出力をRA4端子に接続するだけである。
使用した磁石は百均のセリアで入手したφ6mm、厚み2mm、220mT磁石を列車の床下に両面テープで取り付けた。モーターカーなどで床下とレールの隙間が小さい場合、トレーラーカーに取り付けるか、厚さ1mm以下の磁石ゴムシート(ネオジウムシートは120mT、フェライトシートは10〜40mT程度)で、適切な隙間に設定すると、なんとか使用できる。今回使用した磁石は超強力なので、ペースメーカーや磁気メディアなど、磁気で影響が生ずる恐れの或るものの近くに磁石を置かないこと!!。
列車検知波形はデジタルスイッチ出力なので立ち上がりの綺麗な波形が得られた。ネオジウム磁石は超強力なので隙間が大きくても充分に反応した。
列車の実走行時にセンサの動作をabc848の回路・プログラムを利用してテストした。
列車がセンサ上にくると列車が停止し、赤LEDも点灯したが、速度が速いとセンサ位置を通過しがちである。これはセンサ径が6mmと小さいためとも思われる。その後、VR=0にすると赤LEDは消灯し、更にVRを回すと再び列車が走行した。
センサ感知後PWM出力は1パルス多く出力された(オシロ波形参照)。これは割り込み発生後、ソフトでフラグを確認しているためで、センサ位置で列車を即停止にするには、割り込み処理の中で列車を停止(PWM=0)するようにプログラムを変更する必要がある。
列車検出センサとしては、abc848で紹介した光センサより、ホールICセンサの方が良さそう。ただし、磁石のサイズ(厚み、大きさ)、磁力を考慮する必要がある。
★【参考】 ホールICセンサの種類
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