Vol.732 1.Dec.2017

第3日 ハイデルベルク 旧市街 ローテンブルク 白ソーセージ

E ドイツ・オーストリア旅行(2)

by fjk

【第3日】 フランクフルト→ハイデルベルク→ローテンブルク
 ドイツで2日目の朝は快晴で、ホテルの窓から離発着する飛行機がよく見える。窓の下に見える駐車場には我々の貸切バスが止まっており、外はかなり冷え込んでいそう。この日の朝食もホテルレストランでバイキング。ピラフにソーセージと料理の種類も頭の中に入っている。この日の出発は7:30で、約90km離れたハイデルベルクに向かう

近代的なホテル 2日目の朝食 ハイデルベルク市内
バスは市内軌道を走行

<ハイデルブルク>〜ハイデルブルク城、旧市街、昼食
 ハイデルベルクはドイツ最古のハイデルベルク大学があり学問の町として知られている。石畳の町並み、ネッカー川、ハイデルベルク城などのロマンチックな景観は中世のヨーロッパを彷彿させる。
 バスはアウトバーン(A5)を南に進み、ハイデルベルクに着く頃には天気は薄曇りになった。添乗員さんから「雨具を持ってゆくように」と注意があり、これが後で明暗を分けることになる。
 「ハイデルベルク城」は旧市街から浮かび上がるような姿で山の中腹に建つ城で、13〜16世紀にわたってプファルツ選帝侯の居城として建てられた古城は何度も戦争による破壊と再建が繰り返されたため、ゴシック、ルネッサンス、バロックと様々な建築様式が見られ、廃墟となった今も圧倒的な美しさと存在感がある。ここから見下ろすハイデルベルクの街はまさに絶景!
 城内には直径7m、22万リットルのワインが入る「大樽」がある。また薬学の盛んだった名残として「ドイツ薬事博物館」もあるが、我々は外から見るだけ。城の入り口の近代的な休憩所で日本語パンフレットの入手とトイレ休憩(無料)。城から街に戻るためにドイツで最も古い電動ケーブルカー(ハイデルベルク登山鉄道)に乗る(城は中間駅)。入場料は7ユーロ(ケーブル代込み)。

ハイデルベルク城 城から旧市内を望む ワインの大樽
ドイツ薬事博物館 中は近代的な休憩所 ハイデルベルク城の案内看板
すれ違うケーブルカー ケーブルカーで降下中 ケーブル降り場(乗り場?)

旧市街の中をネッカー川に架かるカール・テオドール橋に向かって歩く。途中のマルクト広場を通ると、ウェディングドレスを着た新婚さんが記念撮影をしていた(ドイツでは教会が観光地となっているので結婚衣装を着た新婚さんを多く見た)。
 カール・テオドール橋はネッカー川の水面に美しいアーチを映す、ハイデルベルクのシンボル的な橋で、最初の橋が架けられたのは1284年で、アルテ・ブリュッケ(古い橋)とも呼ばれる。旧市街側には双塔を持つ橋門があり、落とし戸で橋を閉鎖できる。これはフランス軍に対する防御用で、かつては市城壁の一部を成していた。
 この「アルテ橋」のたもとには、少し風変わりな金の鏡を持った猿の像が立っている。この像には「鏡を見てみろ!偉そうにしていても俺と同じ顔をしているくせに。」というドイツ語の一文が添えられ、中世の時代、権力者に対する皮肉を込めたエピソードからきているといわれている。また、この猿の像が持つ鏡を撫でると、お金持ちになれるといわれていますが、ちょうど工事中で触ることができなかった(金運が無いのかも)。
 橋の見学後、古い町並みの中を歩いて日本語が通じる民芸品店(ユニコーン)に向かう。店に向かう途中の店を覗いて見ると、シュネーバルというお菓子が売られていたが、この日の宿泊予定のローテンブルクでも買えると言うことだったので、ここでは買わないことにした。ドイツの薬局は文字Aを模った看板が目印となっている。
 免税店の中には、小さな小物から大きなリモア(RIMOWA)のスーツケースまであり、ドイツでの最初の土産物として、料理道具と色紙などを購入した。バスに乗るため店の外に出ると雨が降ってきた。我々はフード付きのコートと傘を持ってきていたので濡れずに済んだが、雨具の無い人は土産袋を頭の上にのせたり、濡れたまま歩く人もいた。

マルクト広場(右端に新郎) カール・テオドール橋 橋から城を望む
橋周りは工事中で立入禁止 ネッカー川には遊覧船 ドイツの薬局の共通マーク
多種類のシュネーバル 土産物屋の店内の様子 雨に濡れながら街を歩く人

 昼食はハイデルベクル市内のFRIEDENSGLOCKEで、ここでは、ドイツ・シュヴァーベン地方の郷土料理である「マウルタッシェ」(マウルブロン・タイヒタッシェの略。パスタ生地の中にひき肉・ホウレンソウ・パン粉・タマネギを詰め、パセリやナツメグでフレーバーを詰めたもの)を戴いた。ドイツの餃子のようなもので、食べやすく、おいしかった。店の店主は日本語を独学で勉強し、片言の日本語で声をかけ、愛想がよい。添乗員のTさんが一人ひとり日本語で注文を取り、店主にオーダーしていたが、日本語でも通じそうだ。今回の旅行でドイツ語を使うことはほとんど必要なく、観光地ではほとんど英語で会話が可能で、向こうから日本語で声をかけてくることも多くあった。
 食事の後、バスは雨で濡れたアウトバーン(A5→A6→A7)をローテンブルクに向かって走る。アウトバーンはいたるところで工事が行われており、このコースでも完全に停止する渋滞にはまった。片側3車線の道路を2+1+1と片側2車線を確保する車線規制が行われていた。移動途中で退役したコンコルド(現役時代にヒースロー空港で見たことがある)などの航空機が屋外展示されている横を通り、車の窓から見ることができた。ドイツでは車線規制も厳しいので、交通ルールを守らない車はなかった(高速で走る車がいるので、守らないと危ない)。追い越した車が、バスの直ぐ前に入り込んでくるが、日本では無理な割込と見なされる場合があるが、ドイツではこれが普通らしい。
 ローテンブルクまで移動距離が長いので、バスは途中でアウトバーンのサービスエリアでトイレ休憩となった。ここのトイレは0.75ユーロで、小さいコインが無い場合は1または2コインユーロを入れるとおつりが出てきた。また、0.5ユーロのチケットも同時に出てきた。このチケットはこのサービスエリアでそのまま0.5ユーロとして使うことができる。他のサービスエリアでも使えることもあるが、どこでも使えるかは不明とのこと。チケットを使って何かを買おうと思ったが、価格が高そうなので買わなかった。運転手さんにチケットをあげる人もいた。

昼食はFRIEDENSGLOCKE マウルタッシェ 雨と道路は渋滞
コンコルドなどの飛行機が ドライブインで休憩 ドライブインの中

<ローテンブルク>〜市庁舎、マルクト広場、ブレーンライン
 ローテンブルクの正式名称はRothenburg ob der Tauber(タウバー川の上方にあるローテンブルク)で、城壁の中には中世の町並みがほぼ完璧に残され、カラフルな木組みの家が並ぶ石畳の小路を歩いていると、中世にタイムスリップしたような錯覚を覚える町である。
 この日の宿は城壁内のプレーンライン近くの「ゴルドナーヒルシュ」で、明るいうちに着いたので、早めのチェックインを行い、町の見学に行く。宿の前には二股に分かれた中央に建つ木組みの家と塔がおりなす風景のプレーンラインで、趣のある風景として写真でよく紹介されている。
 石畳のオーベレ・シュミートgasse(路地)をプレーンラインと反対の方向に歩いてマルクト広場に出る。広場に威風堂々と建つ建物は、16世紀にルネッサンス様式で建てられた市庁舎。市庁舎隣に建つクリーム色の建物は、観光案内所がある市議宴会館で、毎正時に動く壁の仕掛け時計「マイスタートルンク(Meistertrunk)」がある。30年戦争のさなか、街を占領した皇帝軍の将軍に「大ジョッキ入りのワインを一気飲みできたら助けてやる」といわれたヌッシュ市長が見事に飲み干して街を救った、という伝説の場面が再現されている。
 広場の入り口の角にはテディベアの専門店テディランドがあり、2階の窓からテディベアがシャボン玉を吹いている。市役所の裏には1年中クリスマスグッズを販売している「ケーテ・ヴォルファルト」の本店があり、店内には大きなクリスマスツリーやピラミッド、木組みの家などで装飾されていて、寄ってみたが、あまりに大きく店内のすべてを回ることができなかった。

ホテルゴルドナーヒルシュ プレーンラインはホテルの前 マルクト広場の市庁舎
市議宴会館 ヤコブ教会 ケーテ・ヴォルファルト
クリスマス用品が
店内にドッサリ
テディベア専門店 シャボン玉を吹く
テディベア

 夕食まで時間があるので、自由解散後、レーダーgasseにあるスーパーマッケットや1ユーロショップに向かう。スーパーの値段はやはり非常に安く、旅なれた同行ツアーの方にお勧めの商品を推してもらい、いくつかのお土産を買った。スーパーなのにメルクリンの鉄道模型がたくさん展示されていて、鉄道模型やさんといってもおかしくなかった。1ユーロショップの品揃えは日本の百円ショップと似ており、1ユーロ以上のものも売られていた。
 宿への帰り道、オーベレ・シュミート通りにあるベッカライ(パン屋)で、ローテンブルクの名物お菓子「シュネーバル(Schneeball)」を買う。シュネーバルは平べったい紐状の生地を丸くまとめて揚げたもので、粉砂糖やチョコレート、ナッツにキャラメルがけなど様々な種類がある。ケーキ屋をやっている姪の土産として買った。ミニサイズを買ったが、それでも壊れそうだったので金属ケースに入れてもらった。折角なので城壁にも上ってみたかったが、買い物をしていて時間が無いので、宿の近くの城壁に寄って、記念撮影。

ベッカライ シュネーバルの説明 ローテンブルクの城壁

 宿でしばらく休憩の後、城壁内で最北部にある SCHRANNEホテルにあるレストランに歩いて行く。この日の夕食のメインは白ソーセージで、ベジタブルスープ、チョコレートケーキ、白ビールと共においしく戴いた。白ソーセージは皮を剥いて食べるとのことで、最初はうまく行かなかったが、ナイフとフォークで何とか皮を剥いて食べることができた。食後、外へ出ると、あたりはすっかり暗くなっており、黄色い街灯も暗いので、帰りの道を間違えそうになる
 何とか、宿に戻る道を見つけ、人通りが少ない夜のローテンブルクgasseを歩いて宿に戻る。町の夜景は昼間より余計に古い中世の面影が強調されているように思う。
 ドイツの観光街道として有名なロマンティック街道は、ワインで有名な古都ヴュルツブルクからノイシュヴァンシュタイン城の玄関口フュッセンまでの、中世の面影を残す魅力的な街を結ぶ全長350kmのルート。このロマンティック街道沿いで、一番のハイライトともいえる街がローテンブルクといわれている。
 今回、短時間であったが、もう一度ゆっくりと回ってみたいと思う魅力的な町だった。

レストランへ(右端) 白ソーセージと白ビール ミネラルウォータ
あたりはすっかり暗くなった 夜のマルクト広場 夜のプレーンライン



第3日 ハイデルベルク 旧市街 ローテンブルク 白ソーセージ