Vol.805 2.Oct.2020

壊れたWindwos10パソコンの復旧 Windows10のセーフモードと高速スタートアップ

R 壊れたWindwos10パソコンの復旧

by fjk

 1年ちょっと前のabc768で組み上げたWindows10マシンが落雷の影響で起動しなくなった。
 電源を「ATX電源検証ボード」で動作確認すると、ON/OFFスイッチに応答し、電圧も問題なく、正常に動作しているようである。しかし、落雷による影響が残っている可能性を考慮し、新規に同じ電源を入手した。

ATX検証ボードで電源をテスト

 次に、マザーボード(MB)に新しい電源を接続し電源をONにしてみたが、MBの電源LEDが点灯せず、電源スイッチを押しでも反応がない。どうもMBが壊れたらしい。
 そこで、新規に同じmATXボード(Prime Z390M-plus)、念のためにCPU(i7-9700)とメモリも購入し、以下の手順でテストを行いながら、組み立てた。

  1. 新しいマザーボードにCPUのみを取付→メモリーエラーBEEP(下記Bを参照)
  2. メモリを取付→エラー無くBIOSまで起動(内蔵グラフィック使用。CPU、メモリなど正常認識)。
  3. グラフィックボード取付→DisplayPortで4K画像が表示できた
  4. 旧M2-SSDメモリを取付→windows10が正常に起動(M2-SSDは大丈夫だったよう)。
  5. HDDとBDドライブを接続→データも全て残っており、BDドライブも問題なく動作

 MB、CPU、メモリ、電源を交換することでWindows10マシンが復旧したようである。CPU、メモリは別のMBに取り付けてテストしたところ、いずれも問題なさそうだったが、動作の不安定要因を残さないため、新品と交換した。なお、カラーレーザプリンタは、買置きトナーが残っていたのでHL-3170CDW(販売終了)の中古品を購入し、正常に動作している他のパソコンで印刷出来ることを確認した。

@ドライブレター
 HDDディスクとBDドライブを接続したところ、ドライブレターが変わってしまい、正常にリンクされなくなった。そこで、BDを「D」−>「Q」、HDDを「E」−>「D」に変更したところ、リンクも正常になり、正常にデータアクセスが出来るようになった。ドライブレターの変更方法は、「コントロールパネル/システムとセキュリティ/管理ツール/コンピュータの管理/ディスクの管理」でドライブを選び右クリック後、「ドライブ文字変更」でドライブ名を選択。
Aプリンタドライバー
 プリンタのステータスなどは確認できるが、テストプリントを実行してみるとプリンタが全く応答せず、印刷もされない。プリンタドライバーが古い事が考えられ、最新のドライバーをダウンロードしインストールしたところ、正常に印刷できるようになった。なお、スリープ中のステータスは「使用不可」。
 新しいドライバーをインストールするには、古いドライバーをアンインストールする必要がある。windowsの「デバイスとプリンター/プリントサーバープロパティ/ドライバー」からアンインストールできるが、ブラザーではBrother Utiritiesに専用の「アンインストール」プログラムがあるのでこれを利用する(関連ファイルも同時アンインストールされる。他社でも同様のものがあり、こちらの方が簡単)。
Bマザーボードのテスト
 ASUS製マザーボードでPC電源投入直後に、エラーBEEP(ビープ)音が鳴る場合、BEEP音のパターン(−:長音、・:単音)により下記の原因が考えられ、起動障害の発生対策に利用できる。
  POST
開始音
エラー音 画面出力 原因となる主なパーツ
正常起動 無音 あり  
グラフィック出力無 無音 なし ・グラフィックボード
・マザーボード
・CPU
・モニタ及びモニタケーブル
POST前障害 無音 無音 なし ・CPU
・マザーボード
・メモリ
・電源ユニット
メモリ未検出 無音 −・・ なし ・メモリ
・CPU
・マザーボード
キーボード未検出 あり ・キーボード
グラフィック −・・・なし ・グラフィックボード機能未検出
・CPU
・マザーボード
・電源ユニット(容量不足)
・モニタ及びモニタケーブル
CPU未サポート 無音 −−−−なし ・マザーボードが未対応CPU
・BIOSが古い
その他不具合 上記以外  ・CPUファン接続先の誤り 等
※マザーボードのBEEP音は、基板上にBEEPスピーカーを接続している場合にのみ確認できる。


W Windows10のセーフモードと高速スタートアップ

by fjk

【セーフモード】
 古いwindowsで、システムが正常に起動しなくなった時などには、起動時にF8などを押すことで、「セーフモード」を起動し、不具合の原因と思われる所を修正し、再起動後に正常な状態に戻すこができた。しかし、windows10ではデフォルトでF8によるセーフモード立ち上げ機能が機能しない(レジストリー修正で変更できるが、入力を間違えるとシステムを壊す可能性があるので、お勧めできない)。
 そこで、正常に起動しない Windows10 をセーフモードで起動させるには、強制終了を実行して「修復機能」の「トラブルシューティング」から操作する。パソコンの電源スイッチを入れ、起動画面で「クルクル回る画面」が表示されたら、電源ボタンをシャットダウンするまで押し続けて「強制終了」する。この強制終了を二回以上続けて行い、「自動修復を準備しています」または「お待ちください」と表示されれば、そのまま待つ。

@ 「PCを診断中」と表示され、さらに「回復」が表示されたなら、次へ進む。なお、診断中にはかなり時間がかかる場合もあるが、そのまま待つ。
A 「自動修復」の画面が表示されたら「詳細オプション」をクリック。
B 「トラブルシューティング」をクリックして、次に「詳細オプション」をクリック。
C 「詳細オプション」の画面で「スタートアップ設定」をクリック。
D 「スタートアップ設定」画面で、「再起動」をクリック。
E 再起動後、再度「スタートアップ設定」が表示される。
F オプション番号「5」を選択すると、直ぐにセーフモードでWindwosが起動する。
  (ネットワークが使えない時は「4」を選択)

 なお、「回復ドライブ」を作成しているのであれば、同様に回復ドライブの「トラブルシューティング」から、セーフモードを起動させることもできる。

【高速スタートアップ】
 Windows10起動時のトラブルで「高速スタートアップ」が原因のものもよくあるらしい。高速スタートアップは待ち時間が短くなるので便利だが、ハードの交換など、終了時と次回起動時の環境が異なる場合は注意が必要である。そこで、特に以下の場合、この機能を停止させておくのが良さそうである。

 高速スタートアップの機能は、以下の手順で変更できる。

@ 「システム設定/電源とスリープ」を選択。
A 「電源の追加設定電源ボタンの動作と選択」を選択
B 「現在利用可能ではない設定を変更します」を選択。
C 「高速スタートアップを[有効にする」項目のチェックボックスをOFFにする。
D 「変更の保存」をクリック

 上記の手順で高速スタートアップが表示されない場合、管理者モードでコマンドプロンプトを実行し以下を入力。
    powercfg /hibernate off   (有効にする場合はon)

 なお、「shift」キーを押しながら「再起動」をクリックすると、一時的に高速スタートアップを無効状態で再起動が行われる(起動がうまく行かない場合、セーフモードで起動後これを実施−>機能停止)。


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