Vol.815 26.Feb.2021

0.5X補助対物レンズ 先細ピンセットと専用グリップ 新型コロナウィルス

H 0.5X補助対物レンズ(双眼実体顕微鏡用)

by fjk

 abc813の双眼実体顕微鏡(S304-LT-LED)でより広視野の観察をするには対物レンズを交換する必要がある(接眼レンズ交換では像が小さくなるだけ)。そこで「0.5X補助対物レンズ」(1,500円)をaitendoで入手した。顕微鏡の対物レンズフードへの取付径(45.5mm)は46mmのものでは合わないので、取付径42mmのものを選び、取付用のアダプターリング(外46−内42−高5mm)を3Dプリンター(約2%縮む)で作成した。scopering.stl(zip)
 補助レンズにアダプターリングを取付け、顕微鏡フードに押し込むとちょうど固定され、顕微鏡をのぞいてみると視野が幅10mmとX20のほぼ2倍の視野(X10)で観察することができた(作動距離は50mm)。しかし、カメラ画像はピントが甘く、視野もチョット広く(1.5X)なっただけだった。
 拡大倍率が20-40倍のS304-LT-LEDに、0.5X補助対物レンズを付けることで、10-20倍の実体顕微鏡として使えるようになった。
 さらに、明るさ調節ができるSWIFTの「144LEDリングライト」(3,600円)も補助レンズに取付けることができた。
自作アダプターリング
と補助レンズ(右)
アダプターにレンズを
ネジ込んで取付
カメラによるView画面
(2012チップ)
対物レンズフードに
アダプターを押込んで取付
リングライトも補助レンズに取付


P 先細ピンセットと専用グリップ

by fjk

 チップの取扱にPP-130(HOZAN、先端径0.6mm)を使っていたが、拡大鏡下ではピンセットが大きく見えるので、先端径が0.25mmの PP-131(842円、HOZAN)を購入した。これくらい先端が細くなると危険でもあり、また先端を簡単に変形させる可能性があるので、安全のためピンセットグリップ(573円、HOZAN)も合わせて購入した。グリップはピンセットの先端をキャップで保護でき便利。
PP-131(右)とグリップ ピンセットをグリップに取付


V 新型コロナウィルスとワクチン

by fjk

 医学については専門外であるが、以前、μ-TASによるPCR装置の研究開発に協力したことがあり、「新型コロナの7つの謎」(宮坂雅之氏著、ブルーバックス、2020.11刊)を読んで思ったことを述べる。

1.ウイルス検査の限界
ウイルスの検査には「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」があり、PCR検査と抗原検査はウィルスに現在感染中かを調べ、抗体検査はウィルスが(過去に)存在したことを調べる方法。PCR検査は感度・特異性が高く(それでも100%ではない)、ウィルスが存在する陽性と判断されても人に感染させる感染性がない場合もある。抗原検査は安価・迅速に行えるが、ウイルスの増幅をしないので感度は高くない。抗体検査では時間がたつと抗体がなくなり陰性と判断され、感染記録として残らないことがある。さらに、人の免疫反応にはかなり個人差があり、検査結果に大きく影響するようです。
2.新型コロナウィルスはT型インターフェロン産生を抑制する
ウィルスに感染すると、T型インターフェロンを産生し、ウィルスの増殖を抑えたり周囲の細胞に対して炎症反応を促進するよう促します。しかし、新型ウィルスはT型インターフェロンの産生を抑えているようで、感染初期の炎症反応などが起こらず、感染が分からない(無症状)ことがあるようです。
3.抗体には「善玉抗体」、「悪玉抗体」、「役無し抗体」がある
抗体はたくさんあれば良いと思っていたが、抗体には「善玉抗体」、「悪玉抗体」、「役無し抗体」の3種があり、善玉抗体のみがウィルスを殺すなどの効果がある(中和抗体)。悪玉抗体はむしろ感染性を高めてしまう。役無し抗体はどちらの機能も持たない。DNA/RNAワクチン(RNAワクチンは分解されやすい)は善玉抗体の遺伝情報を使っているので強い免疫反応が期待でき、ワクチンの量産も容易と言われているが、実用化は今回が初めて。一方、不活化ワクチンや弱毒性ワクチンはウィウィルスそのものを(なるべく)無毒化したもので、従来からよく使われている方法だが、開発に時間がかかり、ワクチンによって産生する抗体の種類が異なるなど抗体反応は個人差が大きいと言われています。
4.日本でワクチンの許可が遅いのは・・
日本では過去に国が認可した薬による薬害事例が多くあり、海外で第3相試験をクリアした抗リウマチ薬の「アラバ」を2003年にスピード認可し、5,000名の患者に投与したところ25名の死者をだし、使用を一時中止した。その後、投与量を下げれば安全と判ったとのこと。海外では全く問題が無かったのに・・、海外の結果をそのまま信じて日本での使用には注意が必要と認識された。

新型コロナウィルスは、まだまだ判らないことが多く、もっと詳しい情報は原書を読んで下さい。


0.5X補助対物レンズ 先細ピンセットと専用グリップ 新型コロナウィルス