Vol.823 18.Jun.2021

プリント基板設計ツール Wordのチップス

C プリント基板設計ツール

by fjk

 電子回路やプリント基板を設計・製作する時に利用するのが「基板設計ツール」である。無料で使えるツールは、基板製造業者などが提供するものなど多数あり、基板製造を依頼する予定ならメーカー推奨CADの選択がベター。また、個人で基板を自作するためであれば、以下のCADがよく使われている(ガーバー出力があるので基板製造の依頼にも使える)。

@ PCBE       【ベクター
・お絵かき感覚で使えるが、複雑な回路になると使いずらい。
・一頃はよく使われたツールだが、サポートもなくなり、最近は余り使われていない。
・1000x1000mm、64層まで、ガーバーデータを出力できる。

A Eagle        【Autodesk
・Eagleの機能は本格的で申し分がなく、以前は個人利用では無料で使えたが、Autodeskに吸収されてからFusion360の一部となり、無商用で30日間の利用のみ。
・古い無料のEagle5.6.0(雑誌付録)でも自動配線ができるが、100x80mm、2層基板まで
・障害物を回避する自動配線や、配線を押し出して配線できる。
・回路図を作成する時点で、使用する部品のフットプリントを設定しないといけなく、最初は面倒くさいが、ライブラリが貯まると、一緒に管理されるので便利かも・・。
Eagleの回路設計例 Eagleの配線パターン例

B BSch3v(BasciSchematic)とMBE(Minimal Board Editor)【水魚堂
・最低限の機能があり、回路設計とパターン設計を単独でも使えるので、初心者には判りやすい
・個人ユーザも多く、公開されている無料ライブラリが多い。
・最大1000x1000mm(標準は300x300mm)、4層まで、分解能は0.1ミクロン
・BSch3VではLCoVで、MBEではMBE内で部品ライブラリーを作成できる
・NL3Wで必要な定義を行う事によりネットリスト生成ができる。
・MBEではBSch3V が生成するネットリストと照合できる。
・BSch3vでは部品リストの作成(PL3W)や部品番号の振り付け(NUT3W)などができる。
・MBEで日本語テキストの配置(jtext4mbe)やSMD用パッドデータ作成(SmdICpad)などができる。
・MBEでは自動配線ができない。
BSch3Vの回路設計例 MBEの配線パターン例

C KiCAD                    【KiCAD EDA
・KiCADはオープンソースソフト(OSS)で世界中の人が作成にたずさわっている。
・日本ユーザ・コミュニティKiCad.jp(http://kicad.jp)がある
・無料では最強のツールで最近の主流ソフト。逆に機能がありすぎて使い方が分かりにくい。
・永久に使用制限がなく、許諾の必要なく、商業利用も可能。
・デザインを3Dで再現できる(部品干渉チェックに便利)
・最大32層の導体層、レジスト層などの14のテクニカル層、図形などの4層の補助層
・基板サイズの制限無し。分解能は0.0001インチ
・回路図作成時にフットプリントの設計が無くてもよい
・ライブラリーはGitHub、Digikey、RSコンポなどから入手できる。
KiCAD(Eeschema)の設計例 KiCAD(Pcbnew)の設計例

 PCBEはサポートが終了し、Eagleは無償では使えなくなったので、これからは使われなくなると思われる。BSch3vとMBEは自動配線ができないなど物足りないところもあるが、使い方が簡単で、取りかかりやすい。KiCADはプロ用としても充分に使える性能を持つが、機能がありすぎて難しいところもあり、わかりやすいマニュアルが出てくることを期待したい。KiCADはフリーCADソフトとして今後の主流となるものと思われるので、やはり注目しておかなければならないだろう。


W Wordのチップス

by fjk

1.他のWord文書を挿入したい
@ 読み込みたい場所にカーソルを移動
A「挿入/テキスト」の「オブジェクト」の下矢印をクリック
B「テキストをファイルから挿入」を選択
C ファイルの選択画面が表示されるので、挿入したいファイルを選び、「挿入」をクリックすると、ファイルが挿入される。
2.表中の行の間隔を調整したい
@ 間隔を変更したい場所を選択
A 「ホーム/段落」の右下の矢印をクリック。
B 段落設定で、「行間」を「固定値」、「間隔」に設定したい値をセットし、「OK」をクリックすると、間隔が変更される。
3.画面に表示された(web等)画像をWordに取り込む
・ Wordで挿入したい位置にカーソルを移動。「挿入/スクリーンショット/画像の領域」で取り込みたいエリアを指定すると、Wordに画像として取り込まれる。
・ Edge画面上で取り込みたいエリアを選択・コピーし、Wordにペーストで貼り付けると、画面とほぼ同じ状態で取り込め、Wordで編集も可能。
4.拡張書式で文字列をアレンジする
・ 組文字、文字の形状や、文字間隔などの調整などを行いたい時は、「ホーム/拡張書式」が便利。
・「縦中横」(文字方向の変更)、「組文字」(複数の文字をまとめて1文字に)、「割注」(1行2段の注釈)、「文字拡大/縮小」(文字の縦横比)、「文字の均等割」が行える。
5.SmartArtでビジュアルな文書を作る
・「挿入/SmartArt」を使うと、グラフィカルなテンプレートが選択でき、見栄えの良い文書が簡単に作成できる。グラフィックのカスタマイズも可能。
・ SmartArtのテキストウィンドウでEnterキーを押すとリストが追加され、階層の指定はリストを選び、「デザイン/レベル下(上)げ」で実現できる。
・ Wordでは行えないが。PowerPointではグラフィックのアニメーションも可能である。

他word文書読込


SmartArtの使用例

拡張書式の例


行間隔の調整例


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